前回の結果の続きです。もうこのあたりになるとまとめているようなサイトが無くて論文とかのpdfを読みまくって推定するしかなくなってきます。大学の卒論よりまじめに取り組んでいて、草。
「離れたところの水やガラスには周りの風景が映り込んでいるやん!」に対して考えられる反射・全反射の現象は「フレネル反射」。ただしこの現象ほぼ水平に近い角度にならないと全反射にはならない。具体的には垂直方向から80度以上でないとガラスや水では普通の状況下(昼間)で反射を認識するのは難しいのではないかと推測。その時点で光の透過率と反射率の高低が入れ替わるから、下地が明るかろうが暗かろうが認識することが出来るのではと理由付けしてみる。
そのイメージとしては身長170cmの人が150cmの目線で見たときに、約8.5m先から水面に周りの環境が良く映り込むという状況。8.5mといったら建物の3Fに手が届くところ。道で言えば3車線(約9m)弱といったところ。意外に遠くて近かった。
先日の車の写真を例にすると車の横50cm離れたところからだと、計算上撮影ポイントから2.8m離れないとなかなか認識できないのではないかと計算が成り立つ。ただ車の全長が約5.0m程度なので2.8mということはフロントバンパーのあたりから撮影したので、リアフェンダー(リアタイヤより後ろ)あたりより奥の映り込み(横断歩道とか)は反射率の上昇による映り込みであったのではないかと考えられる。
もちろんそれよりも手前側にも映り込んではいるのだが、その反射率が低いため、鏡のコラムで解説した通り下地が暗ければ反射した物が良く見えるし、下地が明るければバックライトに照らされているようなものなので反射されている物が見えづらい。更に光量を加味すると発光しているものや主光源・環境光などが強い方がハッキリ映り込みが見える。という結論に達しました。
ちなみに自動車のクリア層の吸収率については厚み30~40ミクロンほどで、透過性の高いアクリル系であることを考慮してもほぼ無視できるようなレベルではないかと。
おまけで・・・・これらの現象は実は肌なんかにも関係していて、表面(界面)で反射(6%)しているだけでなく角質→表皮→真皮にまで到達し、光が吸収・反射されて再び表に出てきている。可視光領域では波形の長い赤色が深層まで届くそうです。肌の深くまで赤系の光が届き(浅い所までだと濁って見えるそうです)反射、橙より短い黄色などの波形の短い光は角質層や表皮で散乱・吸収される。すると「透明感のあるきれいな肌は赤色の光にある」とまで富士フィルム様が言われてます。確かに赤ん坊の肌は透明感があってみずみずしいですものね。
この最後まで残った赤系の色(波)が拡散反射により肌の表面を裏から照らして赤みを帯びると。ただ、それもやはり直接光と比べると弱いからカバーリング?されて、明暗境界線のところとか部分的に影ができるところに明るいところと比べてそうかもレベルで見えてくるというところです。しかも結構強い光でないとなかなか認識が難しいという困ったちゃんでした。
う~ん氷菓の「iscream」を思い出してしまった。