反射の一件以降色々色について再度考えさせられることが多くなりました。え?前回の反射の結論はどうしたって?ではまずはそちらから。

まず、中学の物理・理科はものすごく重要です。ビー・バップハイスクールや湘南爆走族を授業中に熟読している場合ではありません。定期試験のみの詰め込みだとこうなってしまいますので、皆さんくれぐれもご注意ください。

以前の反射についてコラム「【日常の一コマ】一つの事象は複雑に絡まっている【鏡の中のアク・・・】」にて独歩さんが現れたと描きましたが、それは私のイメージが作り出した虚像で、シャドーボクシングにもなっていませんでした。もちろん殴られても怪我をしません。

そもそも全反射とは何ぞやという所なのですが、その前に光の屈折から。

屈折は異なる物質の界面において光の速度が変わるため進行方向が変わる現象。空気から水・ガラス表面(界面)に光束が当たるとフォークボールの様にカクっと角度が変わるやつ。アレです。三角プリズムで白色光が七色に分解されて「お~レインボー」と唸った人もいるかと。これも屈折を利用したものです。

で、全反射がどういう条件で発生するかというと・・・水・ガラスなどの屈折率の高い物質から空気などの屈折率の低い物質に進行しようとする時のみ生じます。その角度は水→空気の場合で約48度。ガラス→空気で約41度。それ以上の場合は界面から光が外に出れなくなって、全て反射してしまうというもの。つまりの話、空気から水やガラスを見た際の全反射というのは無いということでして。

ピンとこない方のために例をあげると・・・学校の授業でプールに入りました。水深は小学校なので1~1.1m程度。プールの底にぶちまけられた碁石を拾うという水の中で目を空ける練習をします。足の指で掴んで拾うなんてずるはいけません。決してヒャッホーな風景を堪能したくて潜っているのではありません。塩素が入っていますので、目に良く沁みます。昔の先生は良く無茶を言います。メンタルに良く沁みます。おっと話を戻します。

潜って碁石を拾うのですが小学生の腕の長さは平均50cm程度。つまり実は50~60cmしか潜っていないということになります。するとここでいつもお世話になっているCASIO先生の出番です。

?の部分は約56cm。視野ということであれば三角形の左にも対称の三角形が出来、その倍になりますので112cmほど。空気を吸おうと水面の方向(真上)を見れば、その直径の円が50cm目の前に広がっている状況となる。うん、もっとファンタジーな結果を期待していたのですが、結論としては結構見えてるやんけ!1m離れたところから100インチのテレビを見るくらいとほぼ一緒。なんなら「端っこの方は何かあるけど良く見えない!」まである。これが「スネルの窓」とか「スネルの円」とか言うらしい。その風景はというと・・・

こんな感じか。実際には水面には波があったり、水に不純物が混入しているのでこんな風には見えませんが理屈的にはこんな感じ!たぶん!きっとそう!円の周りのグレーの汚いのは何かというと周りの建物やプールサイドに立っている人とか。「理想的な状況下では、水面より上にあるもの全て(水平線まで)が完全な円に閉じ込められて見える。空気と水の境界での屈折により、スネルの窓は水面より上の180°の景色を約97°に圧縮し、魚眼レンズで撮ったものと似たような像を作る。明度は円周/水平線に向かうにつれて落ちていき、ゼロに達する。」(ウィキペディアより)

20分で覆りました。実はこれが正解のようです。窓の外ではプールの底にペイントされている塗料やラインなどをクッキリと反射しています。水中からは円(窓)の中で水面より上は全部見てますん。という状況なわけでして。いくら遠くても、視力の問題で見えなくても、理屈的には実際には見えているという事が起きています。

でも離れたところは水面やガラスにはいろいろ映り込んでるやん!と憤慨される方もいらっしゃるかと。

長くなりましたので続きは次回に。

この記事を書いた人

スタッフ門前
おとなの美術室スタッフ
おとなの美術室事務スタッフ。 門前の小僧習わぬ経を読むから命名。サブカルをこよなく愛するナイスミドルである。一時期ブログ投稿を降板させられたが、10周年を機に復帰。