今回は光について。まだ読み物感覚で大丈夫、大丈夫。

小学校や中学校で何となく「光って波なんだよ」って聞いたのを覚えていらっしゃいますでしょうか。そう、「波」であって「粒」でもあるんです。光子とかフォトンとかニュースとかで目にしたことがあるかもしれません。「粒」ってあれです。ただ今回は色についてなので説明はスペクトル化(分化)されている状態での話で、「粒」は更に遠い記憶としておきます。

前回の目の構造の所で「長波長」「中波長」「短波長」って出ましたけど、これは

山と山の間の間隔が長いか中くらいか短いかという所になります。人が目に光として感じられるのは380nm~780nmあたり。これを可視光といいますそれより長かったり短かったりするのもあるけど今回はパスしておきます。

さて小学生のころ光を三角プリズムで7色に分解させて二次もとい「虹」だと騒いだ記憶があるかと思います。あの虹を合わせたものが白色光となるわけです。

で、この光よく見る太陽の光とか蛍光灯とか白色LEDとか色々白色光でも種類があるけど、この内訳にばらつきがあるんです。太陽光は比較的まんべんなくいろいろな波長を含んでいます。が、蛍光灯なんかは青のあたり黄緑あたり橙あたりの波を多く含んでいて、それ以外はあまり含んでいない。(専門的には分光分布っていいます)だから昔は蛍光灯の下で写真を撮ると緑っぽくなったりしました。

人の目ってこの良く拾う波長があるんです。「波長感度特性」とか「分光視感効率」とかいうんですけど明るいと黄緑の辺り(500~550nm)、暗いと青緑の辺り(450~500nm)がとにかく良く波を拾って明るく感じるんです。

さて、今回はココからちょっとややこしくなり始めます。CCS株式会社様、大作商事株式会社様、大塚電子株式会社様、色彩用語辞典、他多数サイト様のおかげです。

乾電池に豆電球を繋げて光らせています。この時豆電球が「光源」となって光は四方八方に光を放っています。この光があるエリアを1単位時間(例えば1秒)にどれだけ光のエネルギーが通るか。これを「放射束」といいます。これは計測値になるので、cmや秒とかグラムと同じ「物理量」。お金で言えば万円とか。これに前出の「分光視感効率」で視覚に与える影響を重みづけたものが「光束」で(計算はややこしいので飛ばします)、「心理的物理量」となります。つまりお金で言えば「幸せ」の係数をかけて変換して単位は「うはうは」でしょうか。心理的物理量「光束」は物理量「放射束」を「人間の眼」で評価した「明るさ」であり、違う考え方のものであると言えます。この心理的物理量の光束・ルーメンの大きさ(幸せ換算した「うはうは」)が明るさ・暗さとなります。

ここまでが前提条件です。まだ付いてこれてます?

この放射束や光束に基づいて計算されている用語が以下の表です。

スタートは「放射束」。そのまま「物理の世界」にとどまるのか、「感覚の世界」に移転するのかというところ。それぞれに対応する事象や言葉があります。

ここでの注意は「光束」「照度」は『光源』からの事象であって、「光度」「輝度」は観測者・観測点から見たという「方向の指定」があること。視点が真逆になるんです。言い換えるなら観察者から見ている光以外の光が知ったこっちゃない状態(観察対象外)となります。

このように概念自体が異なるうえに、似たような言葉、視点の逆転などが混乱する原因ではないかと思います。ここまでのことが分かれば今後の当ブログでは「光」について困ることは無いかと。次回は表の用語の説明をしていきます。

この記事を書いた人

スタッフ門前
おとなの美術室スタッフ
おとなの美術室事務スタッフ。 門前の小僧習わぬ経を読むから命名。サブカルをこよなく愛するナイスミドルである。一時期ブログ投稿を降板させられたが、10周年を機に復帰。