かまってくれる親しい友人だと思っていたら、いじめられていただけでした。恋人だと思っていた人の手をさりげなく握ったら、ドン引きされてその後マジ泣きされた。ポルシェの隣に乗ってもらえれば勝つる。水溜まりを飛び越えようとしたらジャンプイン。まぁ次のガソスタで入れればいいかと思っていたらIN北海道。などなど身に覚えがある方もきっと多いのではないでしょうか。人・物との実際の距離と作り上げた認識との違いは結構あるようです。

とある受講生から円柱状のものが良くわからないんだけど・・・と相談されました。確かに世の中に円柱状の物質は数えきれないほどに存在しますが、クリスタルの様に裏まで見ることが出来る円柱というのはなかなか無いですよね。ましてそれに目印となるようなものが記されているようなものは。そこで私、門前としては講師ではないので答えを出してあげることは出来ないけれど、実際に見てみればいいじゃないと上画像の様にA3のコピー用紙に正円を描き、中心を通る十字線を作成。その円に接する正方形を作成。手前の半円に着色して分かりやすくしてみました。

距離50cm 高さ20cmから撮影

もしこれが円柱のオブジェならこう見えるわけで・・・

オブジェの側面の透明度をさげていくと・・・

ん?円の中心がかなり奥になり、手前半分にある半円は実際に見えている弧の部分は結構手前側で見えなくなってしまっていますね。パースの知識として惰円に接する消失点から伸びるパース線で囲んだ台形の対角を結んだ交点がその楕円の中心だというのは知っていたのですが、実際に見てみると結構びっくりします。

電池の出っ張りの所とか、ティーカップの取っ手の部分とか、タケコプターの軸の部分とか、自動車・バイク・自転車のタイヤの軸とか、壁掛け時計の針とか、怪しい魔方陣から登場する人物の位置とか関わってくることは多そうです。

先程の例は結構設定がオブジェとカメラ(視点)がかなり近いといういわゆるパースがきつい状況なのですが、ではちょっと離すとどう見えるのか。2m離れて高さ80cmくらいから撮影してみた。

認識の怪しいエリアはグッと少なくなりましたが、やはり存在します。もっと離すとその差はさらにすくなくなるでしょう。縦長に置かれたA3用紙が横長に見えるように、遠くにあるものは距離が圧縮されて見えるので当たり前と言えば当たり前のことなのですが。ただ・・・側面が付いた立体になった時、立体感という点で言うとどうでしょうね。平たい顔ぞ・・・もとい平面的な感じがどうしてもしてしまうのは気のせいでしょうか。野球中継の「バックスクリーンからの映像」「ブルペンの投球練習の映像」のような同じ距離を映しても、撮る位置(見る位置)が異なると見える画(絵)が全然違うなと。絵を描かれる皆様、キャラ絵を描く際にどこの位置からそのキャラを見て描いているかを意識されていますか?私はしているようでできていません(でした?)。さすがにアイレベルは意識しておりますが。良い悪いは置いておいて、皆さんの絵は意識せずにバックスクリーンから見た絵になっているのでは!?であれば試しに意識してみると表現がかわるかもと考察してしまう次第です。トライ&エラーの繰り返しなので、もし気に入らなくても「門前の野郎!」なんて思わないでいただけたら幸いです。

電柱に括りつけられた広告を凝視しながら「この距離だとまだ広告の横から電柱が見えるな」とかスマホを構えてブツブツいいながら前後にうろうろしていたら、遠くから生暖かい目で見られ始めたのでここまでとします。

この記事を書いた人

スタッフ門前
おとなの美術室スタッフ
おとなの美術室事務スタッフ。 門前の小僧習わぬ経を読むから命名。サブカルをこよなく愛するナイスミドルである。一時期ブログ投稿を降板させられたが、10周年を機に復帰。